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糸島国際芸術祭「糸島芸農」2023糸島芸農 トークセッション「共同体 / 共異体」

2023.8.17

福岡県西部に位置する糸島半島の二丈地区で、2012年以来、二年に一度開催される国際芸術祭、糸島芸農。アートを通じてアーティストと鑑賞者の双方が、地域の魅力を感じ異なる文化への関心や理解を深めること、そして地域を様々な角度から捉え表現することで、この土地に密着した文化を醸成し発信することを目的としている。糸島芸農では毎回芸術祭のテーマを設定し、テーマに因んだゲストを招いてトークセッションを開催している。そのことで、同時代の芸術と社会が互いに反応し合い、地域に対する発信力を高めるものとなっている。

糸島芸農2023のテーマは「共同体 / 共異体」として、トークゲストに人類学者・神話学者の石倉敏明氏を迎える。同じ地域に居住し、利害を共にする人々の集まりである「共同体」。糸島芸農の開催地である二丈松末の共同体が受け継いできた田畑や山林では、害獣や雑草と呼ばれる動植物と常に向き合い、伝統行事では祖霊を祀り、祈りを捧げることで、自然や異界と共存、共生してきた。
この集落で芸術祭を行うことは、共同体の外側からの移入者を受け入れることでもある。アーティストという異生物、アートという異物と遭遇し、土地の人も余所者も、共感や違和感を表明し合う。この集落の「共同体」に対して、芸術祭とは「共異体」と呼んでもいいのではないか。
このトークセッションでは、あらゆる場所で「同じもの」での同調圧力と「異なるもの」の分断や排除が起きている現代社会において、アートを通して「共同体」と「共異体」が共存し、共生するための技法について語り合う。

【石倉敏明トークセッション「共同体 / 共異体」】
日時:2023年10月29日(日)14:00〜16:00
会場:松末権九郎稲荷神社 拝殿(福岡県糸島市二丈松末923-9)
出演:石倉敏明
司会:大澤寅雄・中村美亜
主催:糸島芸農2023実行委員会
共催:九州大学社会包摂デザイン・イニシアティブ

参加メンバー

中村 美亜 社会包摂デザイン・イニシアティブ教員(芸術社会学)
石倉 敏明 秋田公立美術大学アーツ&ルーツ専攻准教授(人類学・神話学)
大澤 寅雄 社会包摂デザイン・イニシアティブ協力研究員

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